手段の目的化 ― 不祥事には必ずある本末転倒
前日の売れ残りを再包装したものを、A10月20日付の中日新聞の記事 によると、赤福さんはこれらをすべて 「つくりたて」と称して販売していたようです。
当日に製造した商品を、B
一時冷凍して解凍後に出荷するものを、C
いつでも出荷できるよう製造年月日を押印せずに冷凍したものを、D
いくつも定義があって、べーんりですねえ。
これまでに明らかになったところでは
工場で製造したまま出荷しなかった商品と、配送車で工場から持ち出し、配送後に残った商品を工場の冷凍庫で最大二週間保管、注文に応じて解凍・再包装し、その日を新たな製造年月日と表示し直して出荷
10/12の記者会見で、社長さんは
「車内は厳重に温度管理をしていたから工場のストック場と同じ扱い。降ろして店頭に並べない限り、未出荷」といった趣旨の弁明をなさったようですが、こうなるともう、赤福餅の名前の由来、「赤ん坊のような嘘偽りのないまごころ(赤心)を持って、自分や他人の幸せを喜ぶ(慶福)」の社是は、絵に描いた餅ですね。
いったん出荷した製品を、再加工ではなく単に冷凍し解凍して、日付刻印を変更して再出荷。
この明らかにJAS法違反な作業をマニュアル化し、システム化していたとも伝わっています。
すべては 「つくりたて」のために....................
いつのまにか、お客様に安心・安全な製品をお届けするための「手段」であるはずの「つくりたて」が、目的化してしまっています。不祥事には必ずみられる本末転倒な事態です。
第三者からみるととても奇異な状況ですが、当事者には「ふつうのこと」。
冷蔵・冷凍といった食品保存技術や流通手段が未発達だった頃は、文字どおり「つくりたて」を提供することが安全確保の唯一の選択肢だったでしょう。
再包装や偽装表示を始めたのが 34年前というのが、なんとも皮肉です。
収益向上(販路の拡大)を目指したからといって、当日製造したものだけを売る実直な商売が不可能になったわけではないでしょう。自らの利益のためだけに、技術を悪用し、お客様の信頼を裏切り続けたのです。
なんのためのルールなのか
そのルールは、現時点においても合理性を有しているか
ルールを守ることが目的化していないか
厳しく問い続けることができる企業だけが、持続的な成長を手にすることができるのだ、と、私は信じています。
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