Complianceの最近のブログ記事

 私は決して、大麻吸引を擁護する者ではありませんが、毎日.jpに掲載された記事に、ひどく憤りを覚えます。

■ 大相撲大麻疑惑:「ロス巡業で大麻入手」露鵬告白
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080909k0000m040147000c.html

 " 露鵬が「大麻は(6月の)ロサンゼルス巡業の時に、黒人シンガーから入手した」と告白していたことが、関係者の話で明らかになった。当初は両力士とも使用 を否定し続けたが、検討委側から「師匠には報告しないから本当のことを言ってほしい」といわれ、露鵬が告白したという。"


 ヘルプラインに、「上司には秘密にするから話してごらん」と説得されて告白したら、弁明の機会すら与えられず問答無用で解雇されちゃいました、みたいなものです。

 しかしながら、そもそもヘルプライン運用のキホンとして、こんな安請け合いはしてはいけません。
 法に触れる行いがあったとしたら、それを自ら申告し、過ちを正すことこそが明日への第一歩だ、と、指し示すのが こんぷら道。

 こんな卑劣極まるやり口を平然と行う協会が率いるのでは、相撲界は到底、クリーンにはなりません。
前日の売れ残りを再包装したものを、A
当日に製造した商品を、B
一時冷凍して解凍後に出荷するものを、C
いつでも出荷できるよう製造年月日を押印せずに冷凍したものを、D

 10月20日付の中日新聞の記事 によると、赤福さんはこれらをすべて 「つくりたて」と称して販売していたようです。

 いくつも定義があって、べーんりですねえ。
 これまでに明らかになったところでは

工場で製造したまま出荷しなかった商品と、配送車で工場から持ち出し、配送後に残った商品を工場の冷凍庫で最大二週間保管、注文に応じて解凍・再包装し、その日を新たな製造年月日と表示し直して出荷

 10/12の記者会見で、社長さんは
 「車内は厳重に温度管理をしていたから工場のストック場と同じ扱い。降ろして店頭に並べない限り、未出荷」といった趣旨の弁明をなさったようですが、こうなるともう、赤福餅の名前の由来、「赤ん坊のような嘘偽りのないまごころ赤心)を持って、自分や他人の幸せを喜ぶ慶福)」の社是は、絵に描いた餅ですね。

 いったん出荷した製品を、再加工ではなく単に冷凍し解凍して、日付刻印を変更して再出荷。
 この明らかにJAS法違反な作業をマニュアル化し、システム化していたとも伝わっています。

 すべては 「つくりたて」のために....................

 いつのまにか、お客様に安心・安全な製品をお届けするための「手段」であるはずの「つくりたて」が、目的化してしまっています。不祥事には必ずみられる本末転倒な事態です。
 第三者からみるととても奇異な状況ですが、当事者には「ふつうのこと」。

 冷蔵・冷凍といった食品保存技術や流通手段が未発達だった頃は、文字どおり「つくりたて」を提供することが安全確保の唯一の選択肢だったでしょう。
 再包装や偽装表示を始めたのが 34年前というのが、なんとも皮肉です。
 収益向上(販路の拡大)を目指したからといって、当日製造したものだけを売る実直な商売が不可能になったわけではないでしょう。自らの利益のためだけに、技術を悪用し、お客様の信頼を裏切り続けたのです。

 なんのためのルールなのか
 そのルールは、現時点においても合理性を有しているか
 ルールを守ることが目的化していないか
 
 厳しく問い続けることができる企業だけが、持続的な成長を手にすることができるのだ、と、私は信じています。

 



 ある勉強会で、著名なキャラクターのライセンスを管理する会社のリーガルの方がおっしゃいました。

 「 常々我々は、" コンテンツ " などと、軽々しい言い方をしないで欲しいと思っています。
  作品、と、言っていただきたい。」

 この矜持が受け継がれてきたからこそ、このキャラクターは何十年もの間、利益を生み続けているのだと思いました。
 翻って......

 他人様の作品を真似するな、と言うたび、返ってくるのは
 
 「ゼロからは創れない。」

 という台詞でした。

 先達の作品から刺激を受けることと、左に「サンプル」を置いて、右でトレースすることとは違いませんか?
 と、問い返すと、黙ってしまうのです。


 私は、彼らが、本気でゼロから1を作り出す努力をしたことはないと思っています。
 一度でもその経験があれば、この台詞は出てきません。

 そして、彼らをこの状況に追い込んでいるのは、間違いなく経営者です。
 

 
 

経営トップがコンプライアンスに理解を示さず果たすべき役割を果たしていない場合に、どうすれば組織にコンプライアンスを導入・定着させて組織全体のコンプライアンス意識を高めることができるのか。

 多くのコンプラ推進担当者が、NBL 2007年8月15日号(No.863)に掲載された岩倉秀雄さんの上記記事「経営トップの理解がない組織のコンプライアンス」に期待を寄せたものと思います。

 本稿の「1 はじめに」で岩倉氏は、「口ではコンプライアンスの重要性をいいながら、コンプライアンスに関する経営判断を下す場面では、コンプライアンスよりも利益を優先する経営トップ」が、「いるかもしれない」と柔らかく表現なさっていますが、売上や利益とコンプライアンスとを秤にかけて、コンプライアンス最優先を貫けるトップのほうが稀だろうと私は思います。

 自らの成功体験に根ざした「きれいごとや正論では会社はやっていけない」、とのポリシーを持つトップは多く、さらには、そうしたトップに対する助言者であるべきコンプライアンス推進部門の長が寛容(あるいは同調姿勢)だと、コンプラ推進部門は、「ここまでなら大丈夫」と下限を探る役割に甘んじることに。
 「最低レベルはここですが、我々はもっと上で勝負しましょう」とは、決して言えません。


 経験上、適時開示が必要になるレベルのインシデントが起きた場合、経営者が本気でコンプライアンスに取り組む意識が強くなります。(当該分野に限って...ということが多いのですが)
 しかしながら、痛い目に遭って学習するのを待つだけなら、コンプラ推進部門は要りません。

 どこを、どう攻めるのか、冒頭にご紹介したテキストを傍らに、ひとつずつ考えてまいります。

 それは、倫理観の欠如した創造性のない世界から。

 " どこまでなら真似をしていいんですか。"
  " (許諾を取らないと)何が問題なんですか。"
  " 抜け道はないんですか ? "

 倫理観は、生来持つものでも、自然に身につくものでもなく、学習によって習得するものだといいますが、どう「教育」すれば、これらの「疑問」を根絶できるのか、答えが見つかりません。

 とにかくこの世界から抜け出して、それから考え続けることにします。

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